2011年11月27日日曜日

猟銃





中谷美紀さんの初の舞台「猟銃」を観て来ました。

井上靖原作の小説の舞台化で、
妻と愛人と愛人の娘から届く3通の手紙を通して
「愛する苦しみ」と「愛される喜び」
について問うラブストーリーなのですが、
中谷美紀さんの素晴らしいこと!

今までもテレビや、映画でその美しさと演技の素晴らしさに見惚れてしまうことが
幾度かありましたが、
舞台は、人間「中谷美紀」さんが
今日まで女優として生きてこられた人生や、
経験を、ライブ感をもって感じることが出来ました。
スクリーンを通してでは感じる事の出来ない
生命力というか、
時に鬼気迫る「情念」のようなものが
伝わってきました。

1時間40分、過剰な演出もなく、
ただ「言葉」と「情念」をたった一人で吐き続けるように
3人の女性を見事に演じ分けた中谷美紀さんの素晴らしさもさることながら、
原作「猟銃」の人間の真理を深い所まで追求し、
向き合ったであろう内容にとても感激し、
すこし落ち着いたら原作も読んでみたいと思いました。

私の俗的な感想としては、
女性は男性より「愛する事」に長けていると思います。
ただし、「愛され」ないと輝く事ができない生き物でもあると
最近感じています。
女性として扱われ、愛される事で、
「存在」そのものを受け入れられているように感じ、
自分以外の誰かに愛情を注ぐ事ができるのだ、という事。

それに対して男性は、
自分に対する、自分以外の存在からの「評価」が、輝かせる源なのかもしれませんね。

色々な事を考えるきっかけを貰えた1時間40分、
私にとってとても価値のある、舞台を観せていただきました。

追記:生の中谷美紀さんは本当に、本当に、驚くほどの美しさでした!

0 件のコメント:

コメントを投稿