2011年12月24日土曜日

オノヨーコさんとクリスマス

何十年変わらない、私の尊敬してやまない女性。


クリスマスの頃になると思いだす出来事があります。今から約15年ほど前、
名古屋、栄のあるお店の店先で
オノヨーコさんにお会いしました。
まだ社会人1年生の私、自分がやりたいこと、たどり着き場所など、全くもっておらず、
毎日ただ仕事をしながら、不満ばかりを心に抱えていた時代。

そんな日々を暮らしていた、私は
その頃お勤めしていた貴金属のお店のオープンの為
シャッターを開けようとお店の裏側へまわりました。
小雨が降る、寒い朝、お店の軒先で雨宿りをしている小柄な女性と背の高い外国の男性。

「ごめんなさい、ちょっとここで雨宿りしていいかしら?
人を待っているの。」

私ににっこり笑いかけた小柄な女性は、ショートカットが良く似合っていて、
明らかにただものではない雰囲気を携えていました。
とにかく、その瞳の輝きがとても印象的。
私はその人のお顔をあまりにも良く知りすぎていて、誰だかピンとも来ませんでした。

「どうぞ、シャッターを開けるだけですので。」

笑いかける私に

「ありがとう」

とその女性は私の顔をまっすぐに見て、再び笑いかけてくれました。

シャッターを一通り開け終わったちょうどその頃、お店の横の道から、外国人の方が現れ
その女性ともう一人の男性と一緒に傘をさして歩きだしました。

「お嬢さん、ありがとう。あなた。。。頑張ってね。」

そういってその人達はその場を離れて行きました。

「どこかで会った事がある。」

そうぼんやり思いながら、お店に戻った瞬間

「オノヨーコさんだった!」

と気がつき、急に鼓動が早くなり、慌ててお店を飛び出しました!
3人が向かった方角を見たけれど、もうそこにその人達の姿はなく
私は暫くぼんやりとしていました。

まさかオノヨーコさんが。。。」

オノヨーコさんが日本に来ていたら、
もっと話題になるはずだし、色々考えていた私ですが、
翌日ビートルズが大好きな親戚のお兄ちゃんにその話をすると、

「今、ジュリアンレノンが今池のボトムラインでライブしていて、
栄に泊まっているって聞いた。おまえ、それ本物のオノヨーコだよ!」

と言いました。

「本物だったんだ!」

小さな頃から、大好きだったビートルズ、
オノヨーコさんの本も全て読むほど憧れていた女性。
それなのに、あまりに日常からかけ離れすぎて
ヨーコさんと気づけなかった。毎日何の目的もなく暮らしていた私に

「あなた、頑張ってね!」

と言ってくださった。
私は本当に頑張らなくちゃいけない。
それから、私はとにかく、何でもいいから
目の前にあることを全力でがんばろう!と心に決めました。

あれから15年、私はその頃と全然違うお仕事をし、
全然ちがう考え、生き方をしています。
人生には時々こういった「神様からのギフト」みたいな出来事があります。

人に与えられた、大事な時間を無駄に暮らしていた私への
忠告のように思えたのです。
私は神様からのクリスマスプレゼントだと思ってこの思い出を大切、大切にしています。

「あなた、頑張って!」

今でもくじけそうになると思いだす
ヨーコさんの言葉。
ヨーコさん、ささやかながら、私は毎日頑張っています。

人生で記憶に残るクリスマスのプレゼントです。 

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